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INTERVIEW村で生きる

吉川昭さん/米づくりも村づくりも、地道な努力が必要

こちらの記事は、2016年に書いた内容です。

吉川昭さんは木島平村出身。高校卒業後就職で一度は村を離れたが、平成2年に実家の農業を継ぐために家族で村に戻った。現在、テッポウユリなどの花卉や、米栽培をしている。生業の傍ら、議会議員や農業委員といった公職も務められている。
ある村民に聞くと、「花の吉川さん」というイメージが強いとのことだが、実は米農家でもあり、2016年12月に熊本県菊池市で行われた米のオリンピックと呼ばれる「米・食味分析鑑定コンクール国際大会」では、5000点以上の出品数のなか、top10である「金賞」を受賞された。環境にやさしい農業を目指そうと、木島平米の特別栽培づくりを推進する「木島平米ブランド研究会」にも加入されている。

そんな吉川さんに、米づくりと木島平村の村づくりについての想いを聞いた。

村で生きる 吉川昭さん

「結果オーライで米コン金賞を受賞したんです。」

平成2年に戻ってきたときは、花栽培をメインでやっていました。当時は、バブルで景気もよくて…。花は、田んぼに作付けして、5年のローテンションで回しており、その空いた所に水稲を栽培していました。親父がいたころの米づくりは、機械作業は親父にまかせて、肥料運びとか力仕事は自分がメインでした。だけど、平成20年に親父が亡くなってから、すべて自分でやるようになったんです。

そして、2010年に農業委員になったころでした。米・食味分析鑑定コンクール国際大会という大会があるから、農業委員みんなで出そうという話になって。その年は島根県松江市で開催されるという話は聞いていましたが、まさか自分が受賞するとは。この大会以降、出品するお米が受賞するようになって。

花が忙しい時期は花に集中して、あいている時間に米づくりをする。そんな栽培の仕方が逆に功を打って、結果オーライでした。

「有名な米どころこそ、地道な努力が必要ですよね」

よく木島平米は有名だよねって言われますけど、米を作ればいいって話ではないと思います。精米の仕方とか、炊き方とかしっかり研究して、米を提供する飲食店やホテル、民宿、一般家庭まで、みんながその方法を知っていた方がいいと思っています。やはり最終的には口に入るものですから、おいしい食べ方をみんなに知ってもらいたい。その辺をこれから勉強していきたいし、村としても研究してほしいですね。

それと、農産物全般の話ですが、今の70代くらいのおじいちゃん、おばあちゃんは何でも作れますよね。豆だったり野菜だったり。あと10年、20年たって自分たちがその年代になっても、おそらく「何でも作れる技術」は持てないのではないかと思っています。誰かが、少量多品目のような形で、様々な農産物を作って、「もうかっている!」ように見えれば、ほかの村民も刺激になっていっぱい出したらいいと思います。 そうすれば、木島平村の直売所に行けば、面白いものが何でも揃うし、おじいちゃん、おばあちゃんの稼ぎになるわけですから。

村で生きる 吉川昭さん

「木島平米はおかずがいらない」

木島平米のおいしい食べ方は、「そのまま食べる」が一番ですね。よく「おかずなんていらない」と言われますから。木島平米は水がいいし、気候も米づくりにあっているのかもしれません。先日も隣町に住む友人が犬を連れてきたのですが、木島平の水を飲ませたら、ほかの地域の水は飲まなくなったとか(笑)

おかずを選ぶのであれば、やっぱり「岡本商店の野沢菜茶漬」ですね。刻んだ野沢菜を油で炒め、とうがらしが入っているあのピリ辛感はご飯何杯でもいけます。

「木島平村のいろんな団体がつながることが必要だと思います」

木島平村には観光振興局も商工会もある。それぞれが精力的に動いていると思います。だけど、それぞれが連携を強めれば、資源が豊富な木島平村はあるものを活かせば、いいんじゃないかと思っています。今から作ってもダメ。あるものを活かすしかない。でも魅力あるものはたくさんあります。

私自身、木島平村の魅力は風景だと思っていますが、特に、飯山市安田から見る馬曲山の風景や、飯山市戸狩から見るドカーンと聳え立つ高社山は特に素晴らしいと思っています。こういった風景も外から見た人は、感動すると思いますし、これからの観光にも使えると思っています。

村内改めて見ると、小さなものから色々やっていると思うし体験できる施設も多い。だれかまとめる人、つなげる人がいなくちゃダメ。観光と農業をうまくつなぎ合わせて村づくりをしていく必要があると思っています。

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吉川昭さん
1959年生まれ
木島平米ブランド研究会会長
冬季は木島平村スキースクールコーチとして、修学旅行等の学生を指導。

吉川さんのお米が買える場所、食べられる場所
買える場所  :村内 道の駅ファームス木島平直売所食彩市場たる川 
       :飯山市 道の駅千曲川
食べられる場所:ラーメン助屋(中野市)、信州ミートセンター(長野駅前)

吉川さんのお米は、木島平村へのふるさと納税の返礼品にもなっています
・ふるさとチョイス内の木島平村紹介ページより
・楽天ふるさと納税内の木島平村紹介ページより

※米・食味分析鑑定コンクール国際大会とは?
一次審査で食味計で玄米の分析を行い食味値を出し、さらに穀粒判別器で玄米整粒度を計測する。食味値85点以上で、玄米整粒度が75%以上のお米のみが2次審査に進める。
二次審査は、味度計で人間の舌でうまいとされる感覚を数値化した味度値をはかり、一次審査及び二次審査の合計点が高いものだけが、top40に入る。
最終審査は、専門家による食べ比べで金賞10点又は特別優秀賞が決定する。