彌永伸一さん・智子さん/毎日景色に癒されてこっちに来てよかったなと思います
更新日:2025年8月5日
木島平村で本場のたこ焼きを味わうことができるキッチンカー「たこ丸」。大阪出身のご夫婦が温かい笑顔で出迎えてくれます。
「村での生活は毎日楽しく、今のところ嫌と思ったことは一度もないです。」
と笑顔でお話してくださった彌永さんご夫婦。木島平村に移住して3年目。木島平村での暮らしについてお話を伺いました。


木島平村に移住した理由
移住前は大阪で生活をしていた彌永さんご夫婦。移住を考え始めたのは7~8年前だった。大阪生まれ大阪育ちのお二人はこの先年を重ね、都会に住んでいて何がしたいのか考えた時に、何もすることが浮かばなかったという。
「いつまでも街で年老いていくことが考えられなくて、田舎に住んで自給自足のような暮らしをしたいと思うようになりました。」
伸一さんは自給自足での生活に憧れがあり、智子さんも同様に田舎暮らしを夢見ていた。大阪では伸一さんは会社勤めをしており、智子さんはパートをしていたが、移住後に生活していくうえで役に立てばと考え、興味のあったお好み焼き屋さんを開業。着々と移住の準備を始めていた。
退職後では体力的に厳しいのではと考えていたこともあり、子どもが大きくなり家を離れたタイミングで早期退職して移住することを決意した。
場所選びはキャンプをしながら、岐阜県、長野県は南信から様々な地域を訪問した。各地域の空き家バンクもチェックし、木島平村の空き家バンクも見てはいたものの、大阪から一番距離もあり、あまり視野には入れてなかった。しかし、しっくりくる場所がなく、木島平村に訪れることに。
「雪がすごく多い冬に初めて来ました。ただただ雪景色が本当に素敵でした。雰囲気もなんだかしっくりきて、そしてまさかの2人とも同じ気持ちで、ここいいな~と。空き家バンクにあった空き家も見学し、家からの景色も家の雰囲気も良くて、ここだなと思い決めました。」
なかなか決まらなかった移住先。木島平村で初めてお互いの意見が一致し、その後春と夏にも訪れ木島平村に惚れ込み移住することを決めた。
憧れの田舎暮らしとキッチンカー
令和4年の8月に木島平村での生活がスタート。住める状況ではなかった空き家は、下水工事以外は伸一さんが独学でリフォームをすすめた。現在も修復・改善しながら生活をしている。
「近所の方には本当に助けてもらいました。リフォーム中で調理ができないときは、調理済みのご飯をいただいたり、気にかけてくださる方が多く助けられました。田舎暮らしはご近所付き合いが大変というイメージがありましたが、つかず離れずで、とてもいい距離感で接してくださり助けてもらいました。周りの方に恵まれています。」
大阪ではあまりなかったご近所づきあい。移住当初から周りの方の温かさにふれ、周りの方との交流が心地よいという。
落ち着いた頃からキッチンカーも始動し、近隣地域で販売を始めた。たこ焼きは揚げたことたこ焼きを販売。たこは智子さんオリジナルの仕込み方法で、こだわりの生たこを使用している。不定期で販売する焼きそばは、麺を関西から取り寄せ。一回食べたお客様からはリピートしてもらうことが多く、本場の味を楽しめるキッチンカーだ。
「店舗をもっても人が少ないので、お客様が来てくださるか分からないし、そもそもたこ焼きやお好み焼きを好んでくれるのかもわからなかったので、店舗をもつよりも移動のできるキッチンカーにしました。もともと旅も好きなので色々なところに行きたいという理由もあります。」
始めた当初は出店場所を探すことに苦戦した。徐々に、出店先から声をかけてもらえるようになり、キッチンカー仲間も増え誘ってもらえるようになった。村では夏祭り・村民祭や道の駅のイベント等、様々なイベントの際に出店し、一緒に村を盛り上げている。移住に悩んでいる方が立ち寄ることもあり、相談所にもなっているようだ。


この自然は当たり前ではない
「木島平村での生活は毎日楽しく嫌と思ったことがありません。大阪よりも四季が濃く、山も田んぼも季節により景色がどんどんかわるので面白い。夜は真っ暗ですが、蛍も見ることができて、生き物がたくさんいるので都会よりも不思議と賑やかに感じます。空気も水も美味しいのは驚きました。野菜も美味しく、ご近所さんからいただける採れたての野菜は最高のご褒美だと思っています。」
現在は家の一角で畑作業にも挑戦しており、夢の自給自足に向けて毎年勉強中だ。ゆくゆくはお米作りにも挑戦していきたいとわくわくしながら語ってくれた。移住当初は山菜採りのアルバイトもしており、季節になったら山菜をとるなど、旬の食材を味わうことが習慣になった。カヤの平高原で行われる木島平自然学校主催のきのこ採りツアーにも参加するなど、木島平村でしかできない自然体験を楽しんでいるようだ。静かで、ブナ林が綺麗なカヤの平高原はお二人のお気に入りの場所でもある。
「景色を見て毎日こっちにきて良かったなと思います。この自然は当たり前じゃないということに気づいたり、心に余裕ができたのか、些細なことに気づくようになって感謝することが増えました。そうゆうのがここでの生活の良さでもあるのかなと思います。木島平村の良さはこれからも残していってほしいです。」

木島平村で生活を始め、自然とのふれあいが身近なものになったお二人。自然にふれることで日々の暮らしで見落としがちだった大切なことや、些細なことに気づくようになったという。木島平村はお二人が自分らしく心豊かに生活できる場になっているようだ。人それぞれに感じ方や価値観は異なるが、自然とのふれあいや、人との交流は人生の豊かさや幸せに気づくヒントになるのだろうとお二人のお話を聞いて感じた。仲睦まじいお二人のお話を聞いて木島平村での生活のよさを改めて感じることができる時間となった。
===================
彌永伸一(やながしんいち)さん・智子(ともこ)さん
大阪府出身
趣味 土いじり・山菜採り
キッチンカーたこ丸インスタグラム:https://www.instagram.com/takomaru.official/