めぐる木島平。暮らしも旅もぐるっと。
INTERVIEW村で生きる

渡邉孝さん/できない発想はしない!とにかくなんでもたのしくやってみる!

こちらの記事は、2016年に書いた内容です。

渡邉孝さんは木島平村出身。学業と就職で一度は村を離れたが、父親の会社を継ぐために村に戻り、建設会社である株式会社穂高の代表を務める。生業の傍ら、村の教育と産業などの様々な役も務め、名刺の裏にある肩書は10を超える。
日頃見る渡邉さんは、底抜けに明るく、バイタリティのある人。夜はいつもどこかでたのしく飲んでいる。村で面倒なことがあっても、渡邉さんから声がかかると足を運ぶ人も多くいる。そのコミュニケーションの力が村を動かしていく、そんな印象だ。

木島平村の魅力はやはり「人」

木島平の魅力は何?と聞かれると「人」だと答えています。観光的な魅力とか自然の豊かさのどのあたりがいいかと聞かれても、ここにずっと暮らしていると、東京から帰ってきたときは実感をしていたこともあったかもしれないけど、正直よくわからない(笑)むしろ、外から来た人たちにどんどん教えてもらいたいと思っています。ただ(観光の可能性という意味では)新幹線の飯山駅ができて、木島平の自然や田舎の魅力とアクセスの利便性を組み合わせた可能性は強く感じています。

一緒に活動する「むらびと」の人口を増やしたい

NPO法人地域創生研究所あつまれむらびとの理事長を務めているが、最初の立ち上げから関わっていたわけではありませんでした。実際にNPO法人として立ち上げるときに、理事長を頼まれたんですね。はじめは自分にできるか不安だったんですが、中心メンバーのやる気を強く感じ、目が違うな、と感じました。村を良くしたいと本気の目。こんな熱い人たちと出会ったことがなく、これなら一緒にやれそうだと思って引き受けました。
「あつまれむらびと」はみんなで集まって好きなことを言い合う場になればいいと思っています。村のなかにそういう場はなかなかないので、職業や立場の違う人がたのしく会話をするなかで、村の人と人を繋げた取り組みを企画・立案して実際に形にしていければ、こんな楽しいことはないと思っています。

まずは「住んでみたい」村になる

また、村の人口を増やすというと、実際に住む人を増やすということになって大変なことだと思いますが、「あつまれむらびと」では村に住んでいなくても、この村が好きな人、遊びに来る人、何かしたいと思っている人たちみんなをひらがなの「むらびと」と呼んでいて、その「むらびと」の人口をまず増やすことを考えています。そのなかから、本当の村の人口になってくれる人がいつか出てくればいいんでしょうね。そして、「まずは住んでみたい」という気持ちにさせるような魅力ある村にしたいなと考えています。子育てや教育面、住み良い環境に魅力を感じて、この村に住むことを最優先に考えたときに、仕事はそこでできることをして、食べて行ければ良いという考え方もあります。そんな考え方を持てば、村に住む人を増やすには雇用の場を増やす必要があると言う考え方に捕らわれ過ぎる必要もなくなるのではないかと思います。

否定的な話はしたくない、たのしい話をたくさんしたい

金の掛からない事は、どんどんとにかくやってみたいです。できない発想はしない。できることをやってみる。お客さんの求める物事に対して「できません」ではなく、どうしたらできるかを考えて形にしていく。そんなことが大事だと思います。
やりたいことはたくさんあります。恒例で行われている村内のイベントや催しにタイアップする形で新しい発想の仕掛けをやっていきたいです。また、冬の広い田んぼで雪の迷路や大きな雪の滑り台などをつくって遊べるようにしたり、昆虫なんかも利用できないかと考えています。

新しい遊びを思いついて、友だちに話す子どものような目をして、村を盛り上げるという大変なことの話をする渡邉さん。渡邉さんのバイタリティは、この「なんでも明るく、たのしむ」ことから来ているような気がした。

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渡邉孝(わたなべたかし)さん

一級建築士。株式会社穂高 代表取締役、エコレットカンパニー信州北 代表。
木島平村観光振興局専務理事、木島平村学校運営協議会(コミュニティースクール)会長、
建設業木島平会副会長、木島平村商工会 副会長、木島平スタンプ組合理事、
第6次総合振興計画推進委員委員長、NPO法人地域創生研究所あつまれむらびと副理事長、
木島平中学校バレーボール指導員などを歴任、地域活動に意欲的に参加している。