めぐる木島平。暮らしも旅もぐるっと。
INTERVIEW村で生きる

内川僚也さん/好きなことを楽しみながら地域を盛り上げていきたい

更新日:2025年5月31日

木島平村で本格的なコーヒーを楽しめる「ファームスカフェ」。木島平村の特産品が並ぶ道の駅ファームス木島平の一角にあり今年の3月に大幅リニューアル。こだわりのハンドドリップコーヒーが評判です。コーヒーの良い香りが漂う店内で、人懐っこい笑顔で楽しそうに接客する姿が印象的な内川遼也さんに今回はお話を伺いました。

内川さんは木島平村生まれ木島平村育ち。自然いっぱいの木島平村でのびのびと育ち、周りには破天荒!と言われるほど活発に育った。幼い頃から音楽と運動が好きで、ベースとバレーボールに打ち込んでいた。高校卒業を機に音響の専門学校に通うため東京へ。好きな音楽で生活していくことを目指し、音響を学びながら音楽活動を続けていた。卒業後、長野県へ戻りライブハウスで働く。しかし生活できるほどお金がもらえず転職を決意する。その後は個人病院や、放課後児童クラブ、支援員として学校で働き、様々な仕事を経験した。

「色々な仕事を転々としましたが、どの仕事も楽しかったです。特に学校では好きで続けていた音楽と運動が役にたち、子どもたちと楽しい時間を過ごせました。転職を何回もしましたが、色々経験してきたことが役に立ちました。ただ音楽はまだまだ好きだったので、30歳までに軌道にのらなければ辞めようと決めて、仕事をしながら音楽中心の生活をしていました。」  

仕事をしつつ、音楽活動には本気で取り組み、音楽に比重を置いた生活をしていた。しかし、少しづつ自分の中でこのままでいいのか、本当にやりたいことはなんなのかという迷いがうまれていた。そんな中30歳を迎え音楽は一区切。音楽中心の生活を辞めることを決意したが、そこでいきなり目標を失ってしまった。

「それまでは音楽のウエイトが大きかったので目標が無くなってしまい、何がしたいか分からなくなりました。好きな料理は仕事にしたら嫌いになりそうで、飲食関連でなにかないかと考えていて、ふと思いついたのがコーヒーで、それで始めてみようかなと思い始めました。」

コーヒーに興味をもったのは意外にも最近のことで、好きだったわけでもなくふと思いつただけ。しかし、こうと決めた内川さんの行動は早かった。「夢中になったら無限にできる」という内川さん。豆の種類や挽き方、淹れ方によって全く味が変わるコーヒーに魅了され、時間を忘れるほど没頭した。カフェチェーン店で働き、接客やビジネスを学び、コーヒーについて深く勉強したいと思い、野沢温泉のカフェでも働いた。それまではどうしようか自分の中でさまよっていたことが嘘のように夢中になった。音楽と同じように没頭できるものを見つけた。

その頃、ファームスカフェでは前任の方の退職により求人を募集していた。今後自分でお店をするための一歩として、自分の力でやってみたいという気持ちもあり、3月からファームスカフェで働いている。現在は幼馴染の友人も仲間に加わり、内川さんが主体でカフェの経営を任されている。

「自由にやらせてもらえるので、やってみたいことに挑戦もできて良い環境です。コーヒーは豆や淹れ方によって全然味が違うのが面白いですし、人によって感じ方が違うのも面白いです。ただ今は、お客さんとの繋がりができるのが一番楽しいです。」 

取材中にもお客様や常連さんが訪れ、気さくな笑顔とあたたかい接客に、自然とお客様との会話も弾む。何より楽しそうにコーヒーを淹れ接客をする姿が印象的だった。

「今後は自分でお店をだしてカフェと音楽、アートなどやりたいことを詰め込んだものをやってみたいと思っています。ただ今も楽しいので、まずはここで頑張りたいです。子どもの頃は当たり前で気づかなかったですが、木島平村は水が美味しいし、自然が豊かで、心の開放ができる場所だなと思います。良いところなので活気がなくなっていくのは寂しい。お客さんとのつながりができて、この地域にも勢いがあったり、面白い人がいっぱいいることが分かったので、そういった方と一緒になって地域を盛り上げていきたいです。」

子どもの頃は当たり前だったが、木島平村での暮らしが豊かであったことに気づいたという。心の開放ができる場所で、好きなことに夢中になれる今の暮らしはとても充実しているようだ。

終始笑顔でお話してくださった内川さん。親しみやすい雰囲気から最初は想像ができなかったが、好きなことに夢中になりどんどん突き進んでいく姿は周りから見たらやはり破天荒なのかもしれない。しかし、前例にないことを行うこの姿勢で、これからどんなことを成し遂げていくのか、今後の展開がとても楽しみだ。

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内川僚也(うちかわりょうや)さん
1992年生まれ
木島平村出身
趣味 音楽 料理 絵を描く(カフェのイラストも自身で作成)