めぐる木島平。暮らしも旅もぐるっと。
INTERVIEW村で生きる

原田峻佑さん/大変なこともありますが、ここでの生活がとても好きです

「これからずっと住むなら、木島平村がいいなと思って。」
大学卒業と同時に木島平村に移住して4年目の原田さん。
縁もゆかりもない木島平村を知ったきっかけや、移住を決意した理由、木島平村での生活の魅力などお話を伺いました。

原田さんは兵庫県出身。父親の仕事の関係で転勤が多く、何度か引っ越しを経験した。神奈川県での生活が一番長く、大学は早稲田大学に進学。早稲田大学在学中に、木島平村を知ることとなる。早稲田大学と木島平村は連係協定を結んでおり、授業の一環として地域連携ワークショップが行われている。そこから派生した〝わせだいら〟という村公認サークルに所属したことがきっかけで木島平村に通うようになった。

「新入生の頃にサークルの勧誘があり、〝わせだいら〟のチラシを手にしたときに、〝村に行きませんか〟というワードに面白そうだなと魅かれてしまいました。木島平村のようなところに住んだこともなければ、接点も無かったので行ってみたいな、面白そうだなと思い、サークルに入り、木島平村に行きました。」

田舎での生活を体験してみたいという好奇心がわき、早速サークルに入会した。都会でしか生活をしたことがなかった原田さん。初めて木島平村に来たときの印象はどのようなものだったのか。

「ジブリみたいな所だなと思いました。(笑)初めて来たときは、村の方と草刈りを一緒にしました。その時に、今でも付き合いのあるおじさんに〝来月は●●があるからまたこいよ〟と誘われ、それが来るたびに続いて、いつしか通うようになりました。都会生まれ都会育ち・転勤族だったので、知っている大人は先生か親だけという環境で育っていたので、こんな風に人と接することが新鮮でたまりませんでした。」

近所の方とお話をすることもなく、お隣さんがどんな人か知らないのは当たり前だった今までの生活とは異なり、都会では味わうことができない人と人との繋がりが嬉しかったという。気軽に声をかけてくれる村の方とどんどん仲良くなり、通うたびに知り合いも増えていった。

「わせだいら時代には、お祭りの手伝いをしたり、田植えをしたり、道の駅でイベントをしたり、中学生に夏休みに勉強を教えたりしていました。本当に色んな経験をさせてもらって、村が好きになったので、大学の半年間は自主的にお試し移住もしていました。」

 木島平村は通う場所から、住む場所に変わっていった。原田さんの人懐っこい気さくな雰囲気もあり、村の方との繋がりも増えていったのだろう。半年間のお試し移住で人生観が変わっていき、木島平村に移住しようと決意した。

「就活を考え始めたときに、これから一生住むなら木島平村がいいなと思い、移住を決意しました。村の方とお酒を飲んだりしていると、この村は課題がいっぱいあるんだよ!など、ネガティブな言葉を聞くこともあり、自分自身は木島平村が好きで、いいところだと思っているので、村に携われる仕事がしたいなと思うようになっていました。」

いつしか木島平村が大好きになり、恩返しをしたいと思うようになっていた。移住を決めた後、一番大変だったのは家探しだったという。なかなか見つからず、最終的には知り合いに空き家を紹介してもらい、村で知り合った同世代の男性と3人でシェアハウスをしていた。お仕事はご縁があり、移住後から国会議員の秘書のお仕事をしている。家も仕事も人との繋がりがあったからこそ見つけることができた。

 現在は、3年前に木島平村で知り合った奥様と結婚し、1児の父でもある。木島平村での子育ては自然が多くあり良い環境ではあるが、同級生が少ない点については心配もあるという。

「子どもの年代は同級生が14人しかいないです。仕方ないとは思いますが、自分はマンモス校で育ってきたので、子どもの少なさには心配な部分はあります。ただ、周りの人がみてくれたり、おさがりを頂けたり良い部分もあります。子ども用品はほぼ買わずに全て揃ったのは有難かったです。」
すぐに会える遊び相手がいなかったりデメリットもあるが、子どもが少ないので温かく見守ってもらえるというメリットもあり、今は子育てを楽しんでいける環境を模索中である。

またお仕事の傍ら、お米作りをしたり、畑で野菜を育てている。見様見真似で始めた畑作業なども色んな方に教えてもらい、今では家族で食べるものは、自分たちで育て収穫をする生活をしている。

「夏は米に追われ、草刈りをして、冬の前には薪割に追われと、1年があっという間です。都会にいるよりも忙しいかもしれない。大変なこともありますが、今でも木島平村は好きですね。ここでの生活は本当に楽しいですし、ここに来てから人との繋がりの大切さを非常に感じています。頼れる人がいっぱいて、木島平なら家族でなくても、近所の人にも頼れるというのが安心できます。」

大学在学中にたまたま知った木島平村。まさか移住するほど好きになるとは、思いもしなかっただろう。一歩踏み入れて見たら、今まで見たことのない素晴らしい環境を見つけることができ、イキイキと生活しているように見える原田さん。これからも人との繋がりを大切に、木島平村での生活を楽しんでいくのであろうと感じた。

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原田峻佑(はらだしゅんすけ)さん
1997年12月生まれ
早稲田大学在学中に村公認サークル〝わせだいら〟に所属
2020年 大学卒業後、木島平村に移住
趣味 サーフィン・スノーボード