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INTERVIEW村で生きる

岡本祐助さん/引き継いだ味をこれからも守り続けたい

木島平村にある創業50年の老舗漬物店「岡本商店」は野沢菜の漬物を中心に、各種漬物を製造販売している。美味しさはもちろん、商品レパートリーが多いのも魅力のひとつ。国産の材料と、木島平村の自然環境の恵みである天然水を使用することにこだわった伝統の味を守り続けている。この岡本商店の代表が岡本祐助さんだ。

岡本商店

まさか自分が家業を継ぐとは

岡本さんが生まれたのは飯山市。岡本商店有限会社は、昭和43年に飯山市で創業した。昭和57年の千曲川洪水で大きな被害を受けてしまったことをきっかけに、比較的災害の恐れが少ない木島平村に拠点を変更した。それに伴い小学校4年生の時に木島平村へ引っ越しをした。幼い頃は、家業を継ぐことは考えておらず、高校卒業後は、電気工事士の専門学校に進学。電気工事士として長野市で働き始めた。1年が経とうとしていた頃、「帰ってきて働いてみないか。」という両親からの一言で一念発起。このまま電気工事士として働いていくのか迷っていたこともあり、祖父の代から続く家業を継ぐことを決心した。漬物業界は未知の世界、まずは勉強のために、群馬県の大手の漬物屋さんで働いた。そこでは製造から営業まで一から学んだ。ここでの2年間は多忙であるものの、身になる良い時間を過ごせたという。
その後、25歳で木島平村に戻り岡本商店で働き始め、現在では代表として伝統の味を守り続けている。「幼いころから、仕事は見ていたので働いてみてのギャップはなかったが、様々なタイミングで人とのご縁に恵まれてここまで働けている。今まで出会った方との縁も、これからのご縁も大切にしていきたい。」と朗らかな雰囲気で話してくださった。

木島平村には漬物を製造するのに適した環境がある

漬物製造には水が非常に重要である。水が良くないと美味しい漬物は作れないが、木島平村はとにかく水が美味しい。また、寒暖差があるので原材料の野沢菜の生育にも適した環境である。豪雪地帯で冬は非常に寒いので、漬物の保存もきく。木島平村には漬物を作る環境が、昔から自然とできているのである。原材料は海外からの輸入品を使用すれば、生産量をもっと増やせるが、安心・安全のために国産のみを使用している。「これからも今までのこだわりを大切に作っていきたい。こだわって作っていれば、規模は小さいかもしれないが、ずっと残っていくと思う。」このこだわりがあるからこそ、岡本商店のファンが増えていくのであろう。

お客様に喜んでもらえる商品を作り続けていきたい

「もう43歳なので今は次につなげることを意識しています。どんな形で変化していくか分からないけど、核がしっかりしていれば、形が変わっても受け継がれていくと思う。」岡本商店というネームバリューを上げ、しっかりとした土台をつくることで、次の世代が続けやすい環境をつくることに力を注いでいる。先代から引き継いだ岡本商店を、今後も長く続けていきたいという強い思いを感じた。
「お客様に喜んでもらえるには、どうしたらいいのかってことを一番に考えちゃうんだよね。損をして得をとるじゃないけど、まずは歩みよりが大事だから、こっちが損をしてでもまずは何かを起こさないと。」と笑顔でお話されているのは印象的で、岡本さんの人柄の良さを感じた。ふるさと納税の返礼品、村のイベントや、周辺地域のイベントにも積極的に参加し、漬物を多くの人に食べてもらい、知ってもらうための活動も惜しまない。継ぐことを考えていなかった岡本さんだが、伝統の味を守り続けていくことへの熱意は人一倍。今や岡本商店に欠かせない存在である。

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岡本祐助(おかもとゆうすけ)さん
1980年2月生まれ
岡本商店有限会社 代表
第41回いいやま雪まつり実行委員長